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W字モデルについて

システム開発において開発とテストの進め方が重要です。今回は開発とテストを並行して実施するW字モデルについて解説します。

W字モデルとは

W字モデルは、ウォーターフォールモデルが基になった開発モデルです。各開発プロセスを要件定義である上流からテストである下流に進めていくもので、後戻りができません。W字モデルは開発後にテストを行うのではなく、開発とテストをリンクさせて同時並行で進めるものです。テストと開発を交互に繰り返す様子が「W」の文字に見えることから、W字モデルと呼ばれています。

V字モデルという開発モデルもありますが、V字モデルは実装後にテストを行うため前段階に問題がないことが前提となっています。上流で不具合があるとその後の工程で修正が必要となり大きな労力が必要となってしまいます。

W字モデルは、このデメリットを修正した開発モデルです。テスト設計を前半に、テスト実行を後半に行いますからテストを早い段階で開始でき、頻繁に行うことで高品質な製品、サービスを提供できるようになります。

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W字モデルを活用するメリット

W字モデルはウォーターフォールモデル、V字モデルを進化させたもので、開発とテストを同時に行うことで多くのメリットがあります。ここでは3つのメリットを紹介します。

リワークが少なくなる

W字モデルでは開発とテストを同時に行うので不具合がより上流工程で検出でき、最終工程付近で修正する手間や時間が削減できます。システムの品質が高まるだけでなく、コストカットにもつながります。要件定義、設計進捗に応じてすぐにテストを行えるので、設計段階で不具合が見つかった場合でも開発前に把握でき、リワーク工数が抑えられます。

要件の矛盾点や抜け漏れを防げる

W字モデルは上流からテストエンジニアが参加するため、テストエンジニア視点から仕様書や設計書を確認できます。開発者が気づけないような不具合やバグを早期に検出できるようになります。開発担当者、テスト担当者それぞれの観点でチェックを行うことで要件の矛盾点、抜け漏れを防ぐことができます。

V字モデルでは不具合は下流工程であるテストの後半部分でしか見つけられませんが、W字モデルでは上流工程で不具合が見つけられるので修正対応をすぐに行うことができます。

テストの準備が早めにできる

ウォーターフォールモデルやV字モデルでは、テスト担当者がテスト準備を行うのはテストの直前であることが多いのですが、W字モデルではテスト設計を前半に移すため対応する工程のテスト準備も早い段階で行います。早期で仕様を把握することができ、テストの難易度や注意点をチェックして品質の高いテストを行うことができます。

W字モデルはウォーターフォールモデル、V字モデルの進化形

W字モデルはシステム開発とテストを同時に行うことで手戻りを削減し全体的な工数や修正作業の低減効果が期待できます。テストエンジニアが初期段階から入ることで抜け漏れを早く発見、修正できリワークを防止できます。

システム開発をスムーズに行うには、経験豊富なテストエンジニアの導入が必要です。会社の事例を見て、経験豊富なテストエンジニアがいるところを検討するようにしましょう。

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